溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。

僕の可愛い後輩が*side 千星*

真白ちゃんが部屋を出て行った頃。

僕はひとり、うなされていた。


「ぅあーーー……可愛い真白ちゃん……なにあれ……」


本当、可愛すぎる。

天使みたい……いや、天使だ。


そんな僕の天使とは、実は幼なじみだった。


真白ちゃんは覚えてはいなそうだったけれど、小学校に上がるまでは結構遊んでいて、その時から僕はずっと真白ちゃんに片想いをしていたのだ。


けれど、家の事情により引っ越してしまった。

それから、運命。いや必然的に、僕たちは再会を果たした。

だから……僕は、12年間の片想いを絶対になにがあっても叶えて見せる。


ずっと一途に想ってきたんだ。

なにがっても……。


その時だった。


プルルル———


「?真白ちゃんのスマホ?」


誰だろうか。

表示されていたのは、『鷹司蒼』


……鷹司蒼?

もしかして、あの鷹司財閥の……?


……なんか、許せない。


黒い感情を裏に僕は電話に出た。

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