4番目の彼女

5.三日連続同じメニュー

「ほら、これでしょ? きぃちゃんが言ってたドラマ」
「そうそう、これこれ。私の契約してる動画サービスのラインナップにはないんだよね」
「じゃあ、今夜はこれね」

 徹志くんの部屋は、広めのワンルーム。いや、これをワンルームと言っていいのか二十畳くらいあるこの部屋には家具はほとんどなく、踊るためのスペースを確保しているらしい。
 なので必然的に居場所はベッドの上になり、プロジェクターで壁に投影されたドラマを並んで見ることとなる。

「昨日言ってたほうじ茶も買ってみた。俺いつも水しか飲まないけど、温かいお茶もいいね」

 彼がそう言いながら温かいお茶を置いたヘッドボードには不揃いのカップ。大きなクッションに二人でもたれかかるまったりとした時間はとても心地よくて、再会したばかりとは思えないほどにリラックスした時間を過ごした。
 そのあとは言わずもがな、なし崩し的に『ソウイウコト』の時間となってしまう。

 さすがに三夜連続ともなると、遊び人徹志の思惑通りにされるがままである。

「きぃちゃんが、もう、どこをどうされたらイイのか、わかっちゃってるからね。こういうのとか」

「……やぁ……っ」

 それにしても、私に三日も割いて他の子たちは問題ないのだろうか。あれか、最初のサービスって感じなのかな。馴染むまでは攻略したいとか?それとも、三日連続カレーでもおでんでも大丈夫なタイプなのかな?それで飽きたら、しばらくは食べなくていいやってやつか。

 だけど、こんなに毎日会って優しくイロイロされたら、勘違いしそうになってしまう。
 いかんぞ、私は4番目の女なんだから、彼の負担になるような行動はしない。恋もしない。

 だから、だけど、このままじゃ……

……ダメだ、ハマっちゃう。
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