たとえ、この恋が罪だとしても
第13章 告白
 家についたときには、もう日付が変わっていた。
 玄関のドアを閉めたとたん、これまで経験したことのない疲れに襲われた。
 泥のなかで、もがいているように身体が重い。
 何もせずに、一刻も早く眠りたい。
 でもまだやらなければならないことがある。


 わたしは俊一さんにメールを打った。
 話したいことがあるから、明日、どうしても会いたいと。

***


「最近、様子がおかしいとは……思ってたよ。結婚に不安を感じてるのかなって。でも、まさか、そんな……」

 他に好きな男がいるって、どういうことだよ……そう言って、俊一さんは血がにじむほど唇をかみしめた。
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