甘い支配の始まり《マンガ原作賞優秀作品》






「先日、町田の懐具合がわからないと言ったが、ドレスやアクセサリーなどから寒そうだな」

俺の周りには、流、ライト、トーマ、支配人、3人のボーイとキャッシャーがいる。

「そうですね。本来うちに入店できるはずのない方ですね」
「俺たちで一晩で片付けられますよ?」

流のあとに若いライトがトーマと自分を指差して言う。

「頼もしいが…ぼったくられた、煽られたと騒がれては面倒だから一晩はダメだ」
「代表のおっしゃる通りです、ライト。いい気分になって楽しく使いすぎて困った…そういう風にことを運ぶのです。自ら失敗した…借金だけ残った…困ったと」
「はい」
「一晩で絞られたら、何か仕掛けられたと思う可能性もありますからね。今宵は徹底していい気分にさせて下さい」
「流が全て言ってくれたから、俺の出る幕はなし。ふっ…任せた。俺はしばらくここで仕事して帰るから、もし聞かれても不在で」
「「「「はい」」」」
「万が一、もう今夜キャッシュ不足ならコンビニのATMへ付いて行ってくれよ」
「はい、承知しました」

最後にキャッシャーに伝えて俺は事務作業に取りかかる。1時間もすれば奴が来るだろう。
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