就活を始めていたがなかなかピンとくるものがない。

「条件つけ過ぎなのかなぁ?」
「そう?面接とか試験にたどり着くまでいってないってこと?」
「うん」
「そっか…どう攻めればいいんだろうね…」

ハセイチビルの1階のカフェでパストラミビーフサンドイッチを手に真剣に考えてくれるのは紫乃ちゃんだ。

「紫乃ちゃん、ひとつ交換して」
「いいよ」

私の方へプレートを寄せてくれたのでパストラミビーフサンドイッチを一切れもらい、そこへ私のチキン&エッグサンドイッチを乗せた。

「気持ちに甘えがあるのかな…あるんだと思うの」
「真麻ちゃんの気持ちに?どういうことかな?」

私は年下の紫乃ちゃんに話を聞いてもらって気持ちが落ち着いたり、考えがまとめられたりするから誰にも言っていないことを吐き出す。

「求職中と言いつつ、現実的な話でいうと生活はできているのよ。親、お兄ちゃん、夢唯さん…それぞれが十分なおこづかいをくれてるから」
「それは、真麻ちゃんがきちんとそれに見合った活躍をしているからでしょ?」
「でもやっぱりみんな甘いよね」

恵まれていることを悩むのはおかしいのかもしれないし、自慢に聞こえてしまう恐れがあるから人には言えない。でも紫乃ちゃんなら大丈夫。