雨上がりの景色を夢見て
シャワーを浴びて、夏奈さんから借りた服に腕を通すと、ピッタリだった。ただ、私が着るには少しデザインが華やか過ぎて、ちょっとだけ気恥ずかしくなった。

リビングに行くと、夏奈さんがソファーに座ってお茶を飲んでいて、私に気がつくと「ピッタリ」と満足そうに笑った。

「お茶入れるから、座ってて」

「…ありがとうございます」

立ち上がって、ダイニングテーブルに飲みかけのカップを置き、夏奈さんはキッチンでお湯を沸かし始める。


「…あの、高梨先生は…?」

私は、キッチンの夏奈さんが見える位置の椅子に座り、夏奈さんに尋ねた。

「夏樹なら、自分の部屋で仕事中。夜ご飯の時間になったら出てくると思うけど、呼んでくる?」

夏奈さんの言葉に、首を横に振る。家に泊めてもらうのに、仕事の邪魔なんて、出来ない。

「どうぞ。あったかいほうじ茶だけど」

「ありがとうございます」

体の芯からあたたまり、優しい味に心がほっとする。

「アロマ、好きなんですか?」

夏奈さんの部屋やリビングの至る所に、アロマオイルの小瓶や、アロマグッズが置いてあることに気がついた。

「ええ。仕事でも使ってるの」









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