先輩からの卒業 -after story-
100歳、99歳になっても❨side奈子❩



大学に入学して早4ヶ月。

私と巧くんは大学生として初めての夏休みを迎えた。


そして、今日8月8日は巧くんの20回目の誕生日。

プレゼントには腕時計を用意して、さっき手渡した。


同級生だけど、一つ年上の巧くんは私より先にハタチになる。

そのお祝いをお兄ちゃんとうちですることになった。


「じゃあ、巧の誕生日を祝って乾杯〜!」

お兄ちゃんの音頭で、巧くんとお兄ちゃんはお酒。
私はジュースを手に持ちグラスを合わせる。

お兄ちゃんの部屋にカーンという音が鳴り響いたあと、私達はそれぞれ飲みものを口へと運んだ。

「お兄ちゃん、巧くん。あんまり飲みすぎないようにね。それからお母さん達は寝てるからあんまり大きい声は出さないように!」


「「はーい」」

2人揃って返事だけはいいんだから。


時刻は22時半。

巧くんは最近始めたというコンビニでのバイト終了後、うちへとやって来た。

今日はこのままうちに泊まり、明日は2人で久々のデートだ。

といっても、巧くんが元気だったらの話。

お兄ちゃんは初めてお酒を飲んだ翌日、ずっと「気分悪い。吐きそう」って言ってたからな……心配。


「奈子、皿取って。あと、フォークも」

「はいはい」

テーブルには数種類のおつまみとお菓子、それからバースデーケーキが置かれている。

私達はそれをあてにしながら、手元にある飲みものを喉へと流し込んだ。


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