さてはて、学園を卒業したら、私は婿を迎えなければなりません。

 なので、しばらくは社交に専念する日々、パーティー三昧です。

「……」
「ちょっとキャリー、仏頂面になってるわよ」
「だって、だって、だってね!?」
「理由は分かるけれど」

 あきれ半分に、ジャクリーン=ジョウシキー公爵令嬢が、私を宥めてきます。

 そう、私、社交界デビュー後、ぜんっぜんモテないのです!

「楽しくない」
「うちのクズどものせいで……ごめんねごめんね」
「……」

 ハジラッティ=ダメ=ナイトリー第二王女が、私の隣でハンカチを噛んでいます。

 私は二人の王子を平民に落とした脅威の令嬢。

 見た目は金髪碧眼で小ぢんまりとした人形のよう。

 しかし、実のところは王子妃教育をトップ成績で修了した、侯爵本人。

 ハイスペックで気の強い私に、男性陣が気後れして近づいてこないのです。

「ううぅ……」
「ちょっと、元気を出してキャリー」
「隣国の王子とかどう? 侯爵家は捨てることになっちゃうけど」
「婿に入ってくれそうな人はいないんですか」
「あなたのスペックに釣り合うレベルのまともな若者は、皆婚約済みなのよ……」

 そうなってくると、貴族としての地位を下げるか、政権に気を遣って婚約せずにいた隣国の王族辺りか、年齢を引き下げる又は引き上げるか。

 ついでに私の世代は、酷い話ですが令嬢にとってのハズレ世代とも言われていて、高位貴族の令息がそもそも少ない年代でもあるようです。

「もうやだ。私結婚しない」
「落ち着いて、キャリー。結婚はともかく、一回くらい恋とかしてみたいでしょ?」
「そうよ、社交をまずは楽しむことよ」

 恋。こい。鯉?

 それを思って頭に浮かぶのは、青い髪の……。

 チ、チガウシ。 

 ベツニ、アンナヤツナントモオモッテナイシ。

 ワタシ、ソンナンジャナイカラ!!

 思わず心の中で片言になっていると、ふと若い男性に声をかけられました。


「素敵なレディ。どうか私と踊ってくれませんか」