夕方、残念親父に殴られました。
 女の顔を殴るとは、本当に残念な親父です。

「……痛」
「お前はナルシスト殿下になんということを言うんだ!!」

 残念親父の背後では、ネタミーニャとその母ソネミーニャがニヤニヤ笑っています。

「はあ、またこの展開ですか」
「なんだその態度は!!」

 この残念親父は、よくもまあ飽きもせずに同じような反応をするものです。
 何かある度に、私だけを一方的に責めたてて、三人の仲を深める。
 私が出ていこうとしても、それはそれで許さない。
 私という犠牲者がいないと、この三人は纏まることができないのでしょうね。

「まあいいのです、こういう展開も、今日で終わりなので」
「はっ!? 貴様、何を企んでいる!?」

 娘に向かってとうとう貴様ですか。
 本当に、これだからこの残念親父は……。

 私がげんなりしていると、後ろから執事が残念親父に声をかけました。

「旦那様」
「なんだ、今は忙しい!」
「大旦那様と大奥様がいらっしゃっています」
「なんだと!?」

 驚いているお父様に、扉の方から声がかかります。

「オロカーノ君」
「お義父様……!? ど、どうしてここに……客間へ案内します!」
「これはどういうことかな」

 今の扉近くに立っていたのは、母方のお祖父様とお祖母様です。