お前を地の果てまで追いかける〜御曹司の決意
「二年前、陸と優里が結婚を考えていることを知って、わしは愕然とした、陸も優里もわしの大事な子供だ、だから陸にこの事実を伝えた」

「でも、陸は二年前のことは何も覚えていません」

「そうだ、事実を聞かされて、嘘だ、何でだよとわしを散々罵って、暴れて、気を失った、目覚めた時は何も覚えていなかった」

「そんな」

「優里はわしの側においておきたかった、陸の記憶が戻らないなら二人が会うことはないだろうと思っていた、案の定二年間何もおきなかった、社長として陸を迎え入れることも大丈夫だろうと鷹を括っていた、まさかまた陸が優里に惹かれるとは……」

「いえ、陸だけの責任じゃありません、私が陸を食事に誘ったんですから」

陸のお父様は深々と頭を下げた。

「本当に申し訳ない」

「なんで母を捨てたんですか」
「捨てたんじゃない、わしは優子にプロポーズしていたんじゃ」

母の名前は森川優子、私は母の一字を貰い優里と名付けられた。

父の話は一度も聞いたことがなかった。

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