数日後、光一さんを無事に岡山県の離島に送り出した。

診療所の建物はすでにできあがっていて、医療機器等の搬入もまもなくだという。

私の知らないところで、着々と進んでいたようだ。

料亭で聞いたときは衝撃的すぎて、光一さんのセカンドキャリアを祝えなかったけれど、『光一さんのご活躍をお祈りしてします。体に気をつけてがんばってくださいね』と、なんとかはなむけの言葉を贈ることができた。

彼への気持ちが吹っ切れたわけではない。

たぶんまだ、現実を受け止められていないのだと思う。

しばらくしたらいきなり実感してきて、つらくなるのかもしれない。

今は占い師に言われた通り、ただ流れに身を任せているだけの状況だ。

そしてその翌日、隆成さんと結納を交わし、入籍をした。

光一さんからは【千里ちゃん、結婚おめでそう。隆成と仲よくね】とメッセージが送られてきた。

胸がツキンと痛かったけれど、これでよかったと思う。

結婚式については、私は別にしなくてもいいという考えだったけれど、両親がむしろ盛大にやりたいというので、全部任せることにした。