『副院長室に戻るから、そこに連れてきてくれ』

隆成さんはそう言って回線を切った。

副院長室がある医局は四階で、職員の同伴がない限り立ち入りは制限されている。

エリザさんとエレベーターに乗り、医局に向かった。

すると奥のほうにある副院長室のドア前に、青のスクラブの上に白のドクターコートを羽織った隆成さんの姿があった。ちょうど戻ってきたところのようだ。

『リュウセイ!』

エリザさんは表情をとろけさせ、隆成さんに駆け寄った。

人目も憚らずに廊下で彼に抱きつく。

『エリザ、どうしたんだいきなり』

『リュウセイに会いたくてたまらなくなって日本に来ちゃったの』

彼の腰に腕を回し、大きな胸を密着させながら、エリザさんは熱い眼差しを注いだ。

隆成さんは戸惑っている様子だけれど、なぜか彼女を引き離そうとはしない。

すぐ近くに私がいるのに、目にも入っていない様子だ。

「え? 副院長とあの女性はどういう関係……?」

「元恋人同士とか……?」

近くにいた看護師がざわめき始めた。