総長様は可愛い姫を死ぬほど甘く溺愛したい。
普通だったら予約をするか、あの長蛇の列に並ばないと入れないくらい人気なお店。
私はすっかりそのことを忘れていたのだ。
でも、裕翔くんは自分の名前を名乗るだけで席まで案内された。そしてあの裕翔くんが住んでいるとても大きな豪邸を思い出す。
裕翔くんはとても高い位置につくどこかの御曹司なのかもしれない…。
「ん?どうしたの?早く頼も」
席に座り、ニコッと笑いかける彼はいつもと変わらない。私は不思議な気持ちを頭から消して、メニュー表を眺めた。
「うーん……。これもいい、あ!これもいいなー…」
メニューを見てみると食べたいパンケーキが沢山あって1つに決めることが出来ない。
「桜十葉は何と何で悩んでるの?」
「えっとねー、このイチゴチョコパンケーキとストロベリーチョコバナナパンケーキで悩んでるんだけど…」
「じゃあ俺がストロベリーチョコバナナパンケーキ頼むから桜十葉はもうひとつの方頼んでいいよ」
優しい瞳で私を見つめる裕翔くん。
「えっ!?いいの?」
「いいに決まってるでしょ。桜十葉が食べたいやつ、俺も食べたいから」
裕翔くん、優しいよ〜!
裕翔くんは店員さんを呼び、2つのパンケーキを注文する。
なぜだかまた店員さんがオドオドしているけどやっぱり裕翔くんって偉い人なのかな?