*夜桜の約束* ―春―
[23]妨害と抗戦
団長室の手前まで戻り、凪徒は朝食をご馳走になったお礼を言った。
自分の名を呼ぶ声に気付き、近付く気配に振り向いた。
「秀成……?」
「凪徒さんっ、これ見てください! やっとハッキング出来たと思ったら、こんなことになっていて……」
息つく間もなくノートパソコンを開いて見せる。
既に団長は部屋に戻り、窓の向こうでお茶を淹れていた。
「なっ……んだ!? これ──」
パソコンに疎い凪徒でも、さすがにその画像のおかしさには気が付いた。
「でしょ? やっぱり邪魔してる奴がいるんですよ! 僕、絶対暴いてやりますから!!」
そう断言する秀成の両目にはメラメラと炎が燃え立つようだった。
障害が多ければ多いほどやる気が起きるのは、まぁそれはそれで良いことだが……開けてみればこの有り様とは、確実に怪しい影が蠢いていることが感じ取れた。
──団長……?
お茶をすすりながらテレビを見始めた団長の姿を再び目に入れる。
モモを『宝物』と言いながら、「お国のためだろ?」とのたまった団長。
『コレ』も団長の知るところなのか?
「とりあえず車に戻ろう、秀成の分の朝食あるぞ」
そう言って持ち帰ったマフィンの紙袋を掲げてみせる。
喜んでパソコンを畳み歩き始めた秀成の後を追いながらも、凪徒の心は団長室の入口に置き去りにされた気分だった。
☆ ☆ ☆
自分の名を呼ぶ声に気付き、近付く気配に振り向いた。
「秀成……?」
「凪徒さんっ、これ見てください! やっとハッキング出来たと思ったら、こんなことになっていて……」
息つく間もなくノートパソコンを開いて見せる。
既に団長は部屋に戻り、窓の向こうでお茶を淹れていた。
「なっ……んだ!? これ──」
パソコンに疎い凪徒でも、さすがにその画像のおかしさには気が付いた。
「でしょ? やっぱり邪魔してる奴がいるんですよ! 僕、絶対暴いてやりますから!!」
そう断言する秀成の両目にはメラメラと炎が燃え立つようだった。
障害が多ければ多いほどやる気が起きるのは、まぁそれはそれで良いことだが……開けてみればこの有り様とは、確実に怪しい影が蠢いていることが感じ取れた。
──団長……?
お茶をすすりながらテレビを見始めた団長の姿を再び目に入れる。
モモを『宝物』と言いながら、「お国のためだろ?」とのたまった団長。
『コレ』も団長の知るところなのか?
「とりあえず車に戻ろう、秀成の分の朝食あるぞ」
そう言って持ち帰ったマフィンの紙袋を掲げてみせる。
喜んでパソコンを畳み歩き始めた秀成の後を追いながらも、凪徒の心は団長室の入口に置き去りにされた気分だった。
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