7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
受け継がれた魂


 聖龍は奏弥と一緒に手を繋いで、歩いてマンションへ向かっていた。
 
 小さな聖龍の手を握っていると、可愛くてたまらない。
 まだ小さいけど歩く足取りはしっかりしていて、危なくないように右側をしっかり歩いている
 駅前まで来ると、ちょっと疲れた様な聖龍を見て奏弥はだっこした。
「まだ歩けるよ、僕」
「いいじゃん、こうしていると。日頃見えない場所が、見えてくるから面白いだろう? 」

 辺りを見渡した聖龍は、目線が高くなりいつも見えない景色に嬉しくなり笑顔を浮かべた。

 そのまま歩き出した奏弥は、嬉しそうな聖龍の顔を見るととても幸せを感じた。

「おじちゃんもね、子供の頃によく。こうやって、抱っこしてもらていたんだよ」
「そうなの? 」
「うん、おじちゃんのお父さんはすごく背が高い人で。抱っこされるたびに、高い所が見えるから楽しくて。よく、抱っこしててせがんでいたよ」
「そうなんだ。…僕、ママに抱っこしてってあんまり言えない…」

 ギュッとしがみついてきた聖龍。

「お兄ちゃん、よく病気しているから。ママが大変だもん…」

 え? それって翔次と同じ?
 俺が病気してて、父さんも母さんも翔次を抱っこしてあげる事があまりできなかったから…。

「心配しなくていい。これからは、好きなだけおじちゃんい言えばいい。いつもで、抱っこでもおんぶでもするから」
「本当? 」
「ああ。でも、たまにはママにも頼むんだぞ。その時は、おじちゃんが凛太朗君をだっこするからさっ」
「うん」

 ニコッと笑った聖龍。
 その笑顔は小さな頃の翔次にそっくりだった。

 
 
 聖龍をだっこしたままマンションへ戻って来た奏弥。

「奏弥」
 
 声がして振り向くと疾風がいた。

「父さん、どうしたの? 」
「いや、何度か電話したのだけど。繋がらないから、来てみたのだけど」
「ああ、ゴメン。ちょっと外泊してたらから、電話切ったままだった」
「そうだったのか」
 
 聖龍は疾風を見ると、ギュッと奏弥にしがみついて顔を隠してしまった。
 疾風は奏弥がだっこしている聖龍を見ると、ドキッとした。
 
 奏弥に抱かれている聖龍は、小さい頃の翔次とそっくりで。
 ただ違うのは、翔次はいつもニコっと笑っていたが、聖龍はきっちりと意思表示をしている所だった。
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