S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
20章:初めての夜

 ちゅ、ちゅ、と楽しむようなキス。そのキスに応えていると、ふっと微笑む気配がして唇が離れる。
 膝の裏に腕を差し込まれ、ひょい、と持ち上げられると、部屋の奥にある大きなベッドの上に乗せられた。

 それからまたキスをされて、舌を絡め合うと、全身が一気に熱くなった。
 要さんは首筋に痛いくらいのキスをいくつか落とすと、私の背中に手を回す。

 そして、するりと着ていたドレスをはぎ取っていった。

「似合ってるから脱がすの、もったいないな」
「……あ、あの……電気は消してほしいんですけど。カーテンも閉めてほしい……」

 結婚が決まった時に比べたら、これからどうするか、なんてかなり分かっているほうだ。
 だからこそ、この明るい電気の下で、さらに夜景が見える部屋はいいけどカーテンをしていない全開の窓を見ると、誰かにこんなところを見られている気がして落ち着かない。

 しかし、要さんは全く意味が分からない、という感じで首をかしげる。

「何故? 全部を愛される覚悟はできてるんだろ?」
「そ、それとこれとはっ……!」

「どちらにせよ、すぐに電気もカーテンもなにも、気にならなくなるから」
「どういう意味、んっ……!」

 その言葉の意味を問うと、そのまままたキスをされる。
 何度もキスをしているうちに頭がぼんやりして、要さんの唇が全身に進む。

「いろは、愛してる」

 要さんの大きな手が私の手にするりと這わされる。
 それに縋るように、ぎゅう、と握り返すと、要さんが目の前で少し余裕のない顔で微笑んだ。

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