ツンデレ王子とメンヘラ姫のペット契約

残業

ある日の残業中、珍しく今日はフロアには、宇賀山、こころ、玲央と濃いメンツが残っていた。

小日向はそんなことは気にせず、相変わらず仕事に没頭していた。

宇賀山はそんな小日向に三分に一回茶々を入れに行っていた。そして小日向からその度に「帰れよ」と言われていた。

そして、宇賀山は途中で夜食を買いに行った。

ちょうどその時、小日向はフロア内の倉庫にいた。昔の資料を引っ張り出そうとしていたのだった。

こころはそれをチャンスと思い、しばらく避けていた小日向の元へ行った。

玲央は仕事をしながらそれを横目で見ていた。

こころは倉庫に入ると、小日向と密室に二人きりとなった。

小日向はこころが来るとなんとなく気まずく、特に何も言わず資料を探し続けた。

こころは今日はいつもより甘めの香水を付けており、倉庫には特に用事もないので、資料を探しているふりをして、次第に小日向に近づいた。

そして小日向の隣に行くと、「何の資料を探してるんですか」と自然に聞いた。それが普通だったので小日向はいつも通りになり、「あぁあの資料を」と言いかけると、こころがさらに近づき、珍しく掛けている小日向の眼鏡をそっと両手で外した。

「眼鏡も似合いますけど、やっぱりこっちの方が良いですね」とこころは言った。

そして眼鏡を自分のシャツに入れると、小日向に顔を近づけた。

小日向はいつもと違うこころの香りに絆され、ついそれに応えてこころと口づけを交わしてしまった。

そして、やや強引に溜まっているイライラを晴らすかのようにこころに荒いキスをした。

こころはそれがたまらなく気持ちよく、息遣いが次第に荒くなった。

しばらくすると、小日向はこころの胸に手のひらで触れた。そして柔らかなそれを感じた。

キスはやめず、少しだけこころのシャツのボタンを外すと、ブラの上からその柔らかなふくらみに触れた。優しく、時々激しくそれに触れた。

しばらくそんな事をしていると、中々倉庫から出て来ない二人を不審に思った玲央が倉庫に入ってきた。

ドアを開けると、熱いキスをし合ってる二人に鉢合わせ、なんとも気まずい雰囲気になった。

辺りは甘いムードに包まれており、玲央は会社なのにと、吐き気がするなと思った。

そしてこころに近づくと、「卑怯すね、俺ならもっと正攻法で行きますけど」と言った。するとこころは恥ずかしくなり、倉庫を出て行った。

そして残った小日向には「あんた最低すわ。ひなこ可哀想だし。俺今日、飲みに行ってくるんで、帰ります」と言うと立ち去った。

小日向は自分がしでかしたことを深く反省した。原因は色々重なって、自分で制御できなくなってしまったことだが、このままではいけないと倉庫を出た。

するとそこには一人夜食を買いに行っていて、戻って来た宇賀山がいた。

宇賀山は「帰ってきたらすごく雰囲気が悪いんだけど、何があった」と困っていたが、小日向は「悪い」とひとことだけ言い、バックを持つと会社を出た。

取り残された宇賀山は四人分の夜食を抱え、「これから楽しい夜食パーティーしようと思ってたのに。これどうするんだよー」と一人で叫んでいたのだった。
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