干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~

同期 滝山壮太

 午前中のメンテナンスの外出を終え、美琴は急いで社員食堂に駆け込んだ。

 いつもの定番メニューを注文しつつ、壁にかかった時計を見上げる。


「もう、部長のせいで一人早食い選手権だよ……」


 いつものお決まりの窓際の席につき、スマートフォンを取り出した。

 どんぶりのご飯を口にかきこみつつ、SNSの画面をスクロールさせる。

 更新は昨日の写真が最後だった。


 ――私を助けてくれた人の中に、あの人がいたかもしれない……。


 美琴がSNSをフォローして以来、ずっと憧れている人。

 この仕事についたのも、その人のつぶやきの影響が大きい。


「どんな人なんだろう……」


 ふうとため息をついていると、隣の席で同じメンテナンス部の女性社員達の、騒がしい声が聞こえてきた。
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