俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する
東京には兄と父が日帰りで、私は里穂の家に一泊するお許しが出た。

東京に行けると言う事は翔さんに会える。
嬉しくて気持ちが逸る。

その後も、翔さんからは週に2回くらい電話があって、1時間くらいお喋りする様になった。

今では、いつ電話が来るかと夜のひと時の楽しみになっている。

翔さんは毎日忙しいそうで、電話は大抵9時過ぎから10時にかけて、夕ご飯はほとんど食べないかコンビニ弁当みたいで心配になる。

東京の授賞式に行く話しは、結局まだ話していない。

突然会いに行ったらびっくりしてくれるかな。そんな顔もちょっと見てみたい気がする。

『俺は表情筋が死んでるらしい』って、言ってたけど、私が思い出す翔さんは笑顔だった。

あの、イベントの時以来一度も会ってないけど、あの時優しく笑ってくれた笑顔は忘れない。
あれからもう、気付けば1か月も経っていた。

電話で笑ってる声を聞くと、あの笑顔を思い出す。
会いたいな、と自然に思う。
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