君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜

新たな始まり


ーーーーー



ガタッ


椅子を引いて自分の席に座る。


今、教室には誰もいなくて私一人。



目の前には大きな「卒業おめでとう」の文字と綺麗なチョークアート。



少し前に卒業式が終わって、みんなで外で写真を撮ったりしていたが、一通り写真を撮ったあと私は一人教室に戻って来た。


窓の外ではまだガヤガヤと楽しそうな声が聞こえる。



高校生活の最終日、私はゆっくり思い出に浸りたかった。



椅子の背もたれに背中を預けて、机に触れる。



奏も一緒に卒業したかったな・・・。




あれからあっという間に1年が過ぎた。


< 214 / 268 >

この作品をシェア

pagetop