殿下が恋をしたいと言うのでさせてみる事にしました。婚約者候補からは外れますね

ブラッド君の義姉の話

『お嬢様、息子のブラッドです、ほらご挨拶をしなさい』

 子爵家に侯爵様と奥様、そしてお嬢様が顔合わせにやって来た。

 侯爵様はこの国の宰相というとても重大なポストに付いている。そんな方がわざわざ挨拶に来た。
 二つ上の兄か僕が養子として貰われて行く。良い人だったら良いけど、怖い人だと行きたくない。


『こんにちは、わたしカテリーナ、あなたブラッドって言うの? 仲良くしてね』


 いつのまにか僕の前に立っていたカテリーナと言う少女。
 あどけない笑顔で可愛い子だった。侯爵家のお嬢様なのにこんなに人懐っこいなんて、不思議な子だ、高位貴族のお嬢様なんて気位が高そうなのに。


 一生懸命話をするので、大人しく聞いていたが、妹ってこんな感じなのかな……?兄しかいないから分からないけど、なんだか可愛いから笑ってしまった。


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