「役立たず聖女」だからと捨てられた私を拾って溺愛し大切にしてくれたのは、大国の冷酷非情な竜帝でした~真の聖女の加護の力が失われたと気がついても手遅れですし、助けるつもりはありません~

お茶会への誘い

 数日の間、フランコと読書三昧ですごした。

 皇宮の図書室は、想像をはるかにこえていた。

 アロイージ王国の王立図書館がみすぼらしく思えてくる。

 ここの図書室にある無数の本の数々は、あくまでも皇族が所蔵する書物。皇都内にある帝国図書館は、かなりの規模だという。

 フランコの寝室や執務室にある本だけでも、どれを読もうかと迷ってしまう。だから、図書室の本ともなると選ぶだけで一苦労。だけど、それはわたしにとっていい苦労であることにかわりはない。

 食事、庭園の散歩、厩舎への訪問、睡眠。これら以外は、読書三昧。

 急遽、フランコがカストのもとに行かねばならなくなった。

 彼がいなくなってから、自室や森や庭園で本を読んだ。
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