跡取りドクターの長い恋煩い
血痕の謎
「笑美里、食べ終わったら話そうと思っていたんだが……」

 トロトロのオムレツも爽やかなお味のりんごバターを塗ったトーストも、すっかり私のお腹に収まった頃、宗司くんが意を決したかのように話し出した。

「……なに?」

「さ、さ、昨夜はすまなかった!」

「へ?」

「……責任を取らせてもらいたいと思っている」

 そう言って、ガバッと頭を下げられた。

「責任……」

 ……って何?
 やっぱり私たち、いたしちゃったの⁉

「そ、宗司くん?  あのっ……」

「笑美里、結婚しよう。
 こんな始まりだが、幸せにすると誓うよ。
君だけを愛すると誓う!」

「結婚⁉
 ちょ、ちょっと待って。
 あの……私たち、やっぱり昨日……しちゃったの?」

「へ?」

「いや、あの、ごめんなさい。
 私、一次会の終わりからあまり覚えてなくて。人生であんなに飲んだのも初めてだったの。宗司くんと帰ってきたのはなんとなく覚えているんだけど……」

「……」
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