転生公爵令嬢のイチオシ!

しばらくするとお医者様らしき人が来て診察してくれた。
立ち上がってみると足も痛く、少し捻って捻挫になっているようだった。

「痛いッ!」

思わず顔をしかめた。

「誰か帰りの馬車まで一緒に行ける方はいますか?確か婚約者の方がいらっしゃったような…」

「え、でも」

ソイツのせいみたいだし、なんか怖いし絶対に嫌だ!!

お医者様の質問は「はい」と「いいえ」でなんとか逃げ切ったけど、これはなんて伝えればいいの!?

「あ、あの、その方はちょっと…」

言葉が続かない!!
里英ちゃん助けてー!

「メリアーナ様のお兄様がこちらに向かっているそうなので帰りは大丈夫ですわ」

里英ちゃん!ありがとうー!

「そうですか。ではしばらく安静になさってくださいね」

先生は帰って行った。

ホーッと一息つく。

「里英ちゃんありがとう。なんとかやり過ごせたよ」

「安心するのは早いわ。このあとはあなたのお兄様が来るのよ。そして、私はリエッタよ。同じクラスにいるわ。間違えたら困るのはあなただからね」

「う、うん」

気をつけなきゃ!

「いい?メリアーナの記憶を思い出すまで頑張ってね。メリアーナ様!」

「はい…。リエッタ様…」

「あとはあなたのお兄様ね」

「兄かぁー」

まだピンとこないなー。

「あなたのお兄様はフレッド・クリスク様、私達より2歳年上で生徒会長として学園ではお仕事をされているわ」

「なるほど」

「そして学園でも有名なほど妹を溺愛しているわ」

「おおっ!愛されているのね!」

芽衣の時はお兄ちゃんはいなかったから嬉しいな。
しかも仲がいいってことだよね。

「うーん。そうね。とても可愛がっているわ」

「そうなんだ。会うのがちょっと楽しみだよ!お兄ちゃんかぁー!」

「違うわ!お・に・い・さ・ま!よ」

「はい。お兄様です」

私はお嬢様でしたね。

「あと、私はここまでどうやって来たの?誰かが運んでくれたってことだよね?」

「それは…」

コンコン!

リエッタが教えてくれようとした時にドアが開いた。

「メリア!!大丈夫か!?」

とんでもなく麗しい男性が心配そうに駆け寄って来た!!


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