イケメンドクター今世も梅香の君にめぐりあいて再び愛す

将来の夢


 私の名前は細川(ゆかり)

 私はお父さんがいない、母子家庭。一人っ子。母と暮らしている。
 県営団地でずっと暮らしていた。

 父はどうやら、他の家庭があるらしく、物心ついてから全く姿を見たことがなかった。
 団地には母子家庭も結構あり、難しく考えたことはなかったが、寂しくないと言えば嘘だった。

 でも、子供心にあまりお金がないのはわかり、大きくなったらお金持ちになりたいと思っていた。
 
 小さい頃は団地の空き地でよくおままごとをしていた。

 「あきちゃんは、だから看護師さんね。私、お医者さんになる」

 「えー?どうして僕が看護師?普通男の人がお医者さんで、女の人が看護師だよ。僕のこの間行った病院もそうだったよ」

 
< 9 / 311 >

この作品をシェア

pagetop