やくざな主人と生意気ペット
やくざのおるすばん
 
「いかんなあ…」

ほんと、ヤバい。
相当な、ヤバさ。

見下ろす先には一週間前より増えた数字。


「どうした」

「ちょっ!来んなエロ!!」


なんだ神無月の野郎。
思春期の女の子が素っ裸にタオル巻いて体重計乗ってる時に脱衣場に入ってくるんじゃねーよエロ。
エロやくざ。ばーか、サメに食われろ。


「お前最近ずっと食ってたからな」

「知ってますからわかってますから。てゆか最近"お前"率高くないすか?あたし実は名前あるんですよね」

「あ、そうなの。意外だね」

「馬鹿かっ!神無月さん馬鹿かっ!名前無いわけないじゃないすか。馬鹿かっ!」

「はいはいはいはい」


なんか最近つまんねえな。
神無月さんの反応が薄すぎる。

てゆか脱衣場に勝手に入って来た事はスルーか。
呪われろ、ばーか。

ダイオウイカに巻き付かれろ。



「いやあ、でもこれはさすがに駄目だわ」


いつの間にか一人になった脱衣場で思わずため息が出た。

明日からダイエットするか、うん。




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