見つめ合ったまま
静かに時は流れた
「鈴様…ご自分が何を言っているのか、わかっているのですか?
あなたは…萩乃宮財閥の御曹司、大和様の婚約者なんですよ…!?」
「わかってる。
でも、私は好きでもない人と結婚なんて出来ないよ。
私は犬居さんが好きなの!」
「お気持ちは私には身に余ります。
ただの執事です。
大和様の傍にいた方が鈴様は幸せになれます。」
私の幸せ
全てはそこから始まった
初めは幸せの意味なんて
自分が幸せかなんて
わからなかった
でも
でも
今はわかる
「私の幸せは犬居さんと一緒にいる事。
お金も、屋敷も、全部関係ない。そんなので幸せにはなれない。
私は犬居さんがいないと…幸せにはなれないんです。」
お金がなくても
お母さんとお父さんは幸せだった
それは
一緒にいれたから
私もそうでありたい