【実話】ただ、普通の幸せがほしかった

ブスはブス

その日も、いつものように仕事をしていた。


お客さんを接客していると、
近くの席から笑い声と話し声が聞こえてきた。


「おい!あの女、見てみろよ、何だ、
あいつブスだな」


「やめなよ、声大きいよ、本人に聞こえちゃう」


ブス…嫌な言葉。


でも、気にすることなく仕事をしていた。


「おい、お前のことだよ!
自分で、わかんないのかよ、
いいから、こっち向くなよ!」


そのお客さんは、私を指差しそう言ってきた。

「あ~そんなに言ったらだめだよ。
あとで、私が、マネージャーに怒られちゃう」


お客さんの隣にいた女の子もくすくすと笑いながら私を見ていた。


それは、クラスメイトから言われた時と同じような光景だった。


もう二度とそんな思いをしたくないと思っていた…。


でも、二人は、
あの頃のクラスメイトと同じような目をしながら、
私を見ていた。


「ブス、それって、私…」


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