【実話】ただ、普通の幸せがほしかった

愛人契約

それから私は、
借金返済と美容整形代を稼ぐために働きはじめた。


三度の手術を経験した私は、昔ほどお金を稼ぐことは、つらいことでは、なかった。


見た目が変わっただけで、私に対する周りの態度まで変わり始めていた。


お客さんを接客している時だった。


「こんばんわ
はじめまして、美緒です」


「こんばんわ
美緒ちゃん、可愛いね!」


「えっ…今この人、私のこと可愛いって言った?
それとも私の聞き間違い?」


その言葉を確認するかのように、
もう一度、聞きなおした。


「よく聞こえなかった、今なんて言ったの?」


「だから、美緒ちゃんは、かわいいなって思ったの!」


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