戦国遊戯
あの一件以来、佐助もさくらも、よく話してくれるようになった。

まぁ…そこに、好意があるかは別として。
以前に比べれば、話をすることが増えた、というのは事実だ。

「はい、玲子の好きな、御依資堂のみたらし団子」

「わぁ!ありがとう!」

1本手にとって、口へ運ぶ。醤油と砂糖の絶妙なこの甘酸っぱさがたまらない。

「そういえば、最近、この屋敷が噂になってるの、しってる?」

さくらが聞いてくる。たまに外出をしたりして、町の人達と話をしたりするが、そんな話を聞いたことはなかった。

「この屋敷に、怪が住んでるそうですよ?」

「むぐっ!ごふっごふっ」

胸をドンドン!と叩く。さくらがお茶を手渡してくれた。

「あ、あやかしぃ!?」

びっくりして、つい大きな声が出た。


お、お化けとか、そういう、自分でなんともできない系の類いは、苦手なのにぃ…


「その怪の特徴なんですが…」

さくらの言葉の続きを、聞きたいような聞きたくないような。と、思いながら、唾をのみこんで、緊張の面持ちで言葉を待った。
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