「ねぇねぇ、知ってる?また、失踪者が出たって」

学校へ向う道すがら、同じ学校の制服を着た生徒たちが話している声が聞こえた。

【失踪者】

最近、よくその言葉を耳にする。


物騒な世の中よねぇ。


だけど、まるっきり他人事。
軽く聞き流して、学校へと急いだ。



私の名前は、青柳玲子(アオヤギ レイコ)。高校3年生。今年から、大学受験で大忙しになる年だ。勉強は中の下。どっちかっていうと、できないほうだ。そのかわり、体を動かすことは大好きで、喧嘩はそこらの男の子なんか、目じゃないくらいに強いと思う。でも、目立つのは嫌い。だから、学校では、そこそこにしかしてないし、部活だって入らないで帰宅部だ。

「れいちゃん、おっはよ!」

「希美、おはよう」

声をかけてきたのは、同級生の花嶋希美(ハナシマ ノゾミ)。中学校来の友人で、親友と呼べる唯一の人物だ。中学の頃から変わらない150センチしかない身長は、高校のなかでもかなり珍しく、人目を惹いていた。しかも、かなり可愛い。入学当初は周りの男子の憧れの的だった。だが、かなりのオカルト好きで、そのせいで、憧れの的は、いつの間にやら変人へと変わっていた。

「ねぇねぇ、聞いた?また、失踪者が出たって」

上履きに履き替えながら、希美が聞いてくる。

「あぁ、なんかくる途中に、そんなこと言ってる子がいたかな」

靴箱をパタンと閉じる。

「なんかね、また、例のゲームやってたみたいだよ」

「例のゲームって・・・ネットで流行ってる、ワールドヒストリ?」

「そう、それ!」

希美は目を爛々と輝かせながら続けた。


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