戦国遊戯
そういえば、と、のどに手を当てた。
昨日の生々しい、血の感触。

今まで、ワールドヒストリで遊んでいるときに、何か怪我をしたりしても、自分にそういった感覚はただの一度もなかった。血が飛び出たりだのということはあっても、それは、相手のものであって、自分の物ではない。

夢でも、それほど生々しく、何かを"感じる"といったことはなかった。

となると、私は。


この世界で、何かあったらどうなるんだろうか。


例えば。




――――――――――死。



昨日のあの、血の感触からいくと、本当に死んでしまうんじゃないだろうか。

そう思った。


今までだって、何度も"死んだ"ことはある。
だけど、それはゲームの中の話だ。
ゲームオーバーになれば、また、コンティニューするか、リセットすればいい。
夢の中だったら、本当に危ない、死んじゃう！と思ったら、目が必ず覚める。


けど、今。自分の置かれている、この状況は。

そんな、簡単な話ではない。
そう、なんとなくだが思った。
< 47 / 347 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop