NOEL(ノエル)

ψ6.ミラクルヴォイスの誘惑


ψ6.ミラクルヴォイスの誘惑



ヴォルケーノのステージは、円形のホールの中央に配されていた。

客席は360度全ての方向からステージを見下ろせるように設置され、ライブの内容によってその位置をランダムに変化させるように出来ている。

座席の後部には個々にステージの細部を映し出す小型のモニターが着けられ、それはアーティストの表情までも克明に映し出す精度を持っていた。


ステージではエミリアのライブのリハーサルが行われていた。

ライブと言っても、総勢100人を超すバックダンサーを従えてのそれは、ライブというより完成されたショーといった内容のもので、その中心で完璧な演技をしてみせるエミリアは、先ほどとは別人のような明るい笑みを振りまいている。

「へぇ。 さすがだね。
この笑顔を向けられたら、大抵のオトコはいちころだ。」

客席で小型モニターをじっと見つめていたセシルは、隣りにいるベラに囁く。





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