赤と黒の心理学
親友以上恋人未満?

妃美子

 京の小さい頃からの親友に「妃美子」という女の子がいた。大人びた端正な顔立ちにスラリと背が高く、誰からも「美人」「綺麗」と言われる。京よりも背が高くて見た目も精神的にも大人びてるので京にとっては姉のような存在でもあり、妃美子もまた京を弟か妹のように可愛がってくれた。京が女装にハマり出してからも多少は驚いたけど、妃美子もヴィジュアル系バンドが好きなのもあってか昔と変わらず仲良くしてくれている。
「妃美子ちゃん、お待たせー!」
「来た来た、京ちゃーん。」
 京はその日も白いレースたっぷりのロリータ姿で妃美子と遊ぶため、待ち合わせ場所へ行く。白ロリな京とお姉系ファッションな妃美子が一緒に居ると、周りから見れば奇妙な二人組だった。
―本来は男女のはずなのにどう見たって女の子二人
 けれど二人はそんなの気にしない…はずだった。何故なら妃美子には彼氏がいて、京は妃美子の彼氏に密かに嫉妬している。
「さ、行こう京ちゃん!」
「うん!」
 二人は今日一緒に行く約束をしていたカラオケボックスへ向かった。
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