食事が終わり、玲子達は一旦ホテルに戻った。正弘たちも、電車がないということで、ちょうど空きがあったので玲子達と同じホテルに泊まった。

「じゃあ私は一足先に帰るね」

そう言って、佐助を連れて東京へと帰っていった。

最後まで、幸村と一緒にいると言って聞かなかったが、流石に佐助の格好が、今の時代では目立ちすぎるため、連れて帰ってもらったのだった。

「それじゃあまた明日」

そう言って、政弘達とロビーで別れようとしたその時だった。

「青柳玲子さん、ですね?」

不意に後ろから声をかけられ、怪訝そうに振りかえる。と、そこには少しばかり年配の男性と、玲子と同じくらいの年齢の男性がたっていた。

「京都府警の坂本です」

「桂です」

そう言って、2人は手に持っていた警察手帳をみせてくる。

「…ご用件は?」

警戒したまま、玲子が聞く。と、もう一人の男性が、チラリと幸姫の方を見ながら聞いてきた。

「お子さん、ですか?」

「ご用件は?」

問いかけには答えずに、じっと2人を見つめながら、もう一度聞く。

「…この男、ご存知ですか?」

そう言って、坂本が1枚の写真を見せてきた。

1人の男性が、何かの建物から出てくるところのようだった。少し遠目に写っているため、顔ははっきりとはわからなかった。

「…さぁ、記憶にはないですが」

玲子の言葉に、坂本はピクリと眉を動かした。

「本当に?」

「ですから、ご用件はなんなんです?」

玲子に聞かれるが、坂本は何も答えない。

「用がないのでしたら失礼します」

そう言って、玲子がその場から離れようとしたときだった。

「…署までご同行頂けますか?」

坂本の言葉に、玲子は足を止めた。

「それは、行かなきゃならないんですか?絶対に」

聞くと桂が、いえ、と短く答えた。

「ではお断りします」



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