ほどよい愛
打ち上げの二次会はカラオケで、ほとんどのメンバーは移動していた。けれど、起きただけで意識のしっかりしない杏奈は帰ったほうがいいという課長の恭汰の判断で、私が杏奈を送っていく事となった。杏奈は実家から通っていて、何度もお邪魔している私に、杏奈のお母さんは恐縮しっ放し。お酒に弱い杏奈を叱りながら、私には謝ってばかりだった。お母さんってこんな感じなんだなあと、記憶にぼんやり残っている私自身のお母さんの顔を引っ張り出す。
杏奈の家からの帰り道。タクシーに揺られながら、ほんの少し寂しかった…。
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