また恋をした、その時に。
デート当日。
────ドキ、ドキ、ドキ。
僕はいつも以上に緊張していた。
唾さえも上手く飲み込めなくて。
目的地に向かう電車に揺られ、
ぴったりと寄り添いながら座る。
都内に上る電車の中は
座席が全て埋まっていて
この密着した感じが
ますますドキドキさせる。
ふと、視線を右にやると・・・
キラキラと光る目元に
ほんのりピンク色の頬。
………艶やかな唇。
髪は普段より
ふんわりと巻かれていて。
目線を少し下に逸らすと
綺麗な鎖骨と、
ハートのネックレス。
心美ちゃんが
めちゃくちゃ可愛いんだ。
「僕、展望台とか初めてだよ。」