%コード・イエロー%

「本当にあるのか?」


確認するように、仲地が言葉を重ねる。


「あります!

だって・・・っん!」


真面目に訊いてくるかと思えば、

仲地の手は、別の生き物みたいにうごめいて。


敏感な部分に触れられて、声を漏らした私を、仲地の瞳が楽しそうに覗き込む。


「だって?」


耳元で息を吹きかけるようにしゃべるのは、絶対にわざとだ。

私は、とびそうになる意識を懸命に引き戻した。


「普通の・・カルテじゃないから」


「普通じゃない?」


「裁判になったカルテだから・・あっ!」


仲地は、子供が新しいおもちゃを手に入れたときみたいに、

あっちこっち触っては、私の反応を観察しているようだった。


明日になれば、私はまた後悔という名の気持ちに殴打されて、

二度と立ち直れなくなるかもしれない。


それでも、今はまだ、倒れるには早すぎるはずだ。


「必ず、あります」


あえぎそうになる自分をひっしに叱咤して、きっぱりと言い切った。

仲地の手が、一瞬ぴたりと止まったが、何事もなかったように首筋に唇が落ちてきた。


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