聖花学園~花よ咲き誇れ~

水上 流依


「どうしよう……」
 わたしは見知らぬ廊下で呟いた。


 入学して一ヶ月になるけど、この学園は広くて未だに迷う事がある。

 それでもあまり行き来しない所には行かないようにしていたのだが……。



 昼休み前に、世界史の先生に昼食べた後でいいからと頼まれて、資料室に教材を返しに行ってきた。

 行きは大丈夫だったのに、帰り道が分からなくなってしまった。


「ホントにここどこよぉ……」

 情け無い声が出て、泣きたくなってきた。



 ゴソッ



 本当に泣いてしまおうかと目に涙を滲ませたとき、近くの部屋から物音が聞こえてきた。


 人がいる!?
 聞けば教室への戻り方教えてくれるかも!


 わたしは天の助けとばかりに、その部屋のドアを開けた。

 ガチャ……

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