いつもと代わり映えのない毎日を、退屈に送っていた。
だけど、そんなものをぶち壊すかの様に、ある日突然、事件は起こった。


「いつまで寝てるの!さっさと起きなさい!」

ばんっ!と母親が、部屋の扉を勢いよく開けて、中に入ってきた。

「…うるさいなぁ…もうちょっと寝かせて…」

眉間にしわをよせながら、うぅんと顔を枕に押し付けた。

「唯!いい加減にしな!もう何時だと」

「はいはいはいはい!わかりました!」

母親が言い切るより前に、不機嫌そうに私は言葉を遮った。体をゆっくりと起こすと、むすっとした表情を浮かべながらベッドから降りた。

「まったく。高校生にもなって。少しは生活態度を改めたらどうなの」

いつものうるさいお小言が始まった、と、右から左へ聞き流してそのまま母親の横を通り過ぎる。

「もー、いいでしょ、別に。休みの日くらいゆっくり起きたって。毎日早いんだから」

学校が少し遠くにあるため、平日の朝は母親が起きるよりも先に起きて支度をしている。そのせいか、土日になると、決まってお昼前に母親にたたき起こされて起きるというのが習慣になってしまっていた。

「お母さん、おなかすいた。なんかある?」

けろっとした顔で母親に聞くと、呆れ顔で首を横にふった。

「まったく、あんたって子は。誰に似たんだか」

はぁ、と深いため息をつきながら、母親は部屋を出て行く。私はその後について行った。

「朝焼いたパンがまだ残ってるから、それでいいでしょ?何飲むの?」

「うーん…牛乳でいいや」

「はいはい」

なんだかんだで母親は面倒見が良い。あれだけ文句を言っていても、ちゃんと自分の世話をしてくれるのだから、感謝しなくては。

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