不思議の国のアイツ -暴走族総長純情伝-
「最初に誘ったのはこっちだし、それに、海堂さん・・・テスト組だよね?」
私の言葉にみんなが驚いた表情をする。
「・・・うん。」
海堂舞がうなずく。
「やっぱり、私、入学試験の時、見た覚えがあったんだよね、海堂さんの顔。ちっちゃくてかわいかったから。」
「・・・ありがとう。」
海堂舞の頬が紅潮する。
「そうなの?それじゃ、なんでさっきは。」
ミヤビが海堂舞を見る。
「・・・ごめんね。私、強く言われるの苦手で・・・言い返せなくなるの・・・。」
海堂舞が下を向く。
「まぁ~、みんながみんな、ミヤビみたいに図太くないってことで。」
私が、ミヤビと海堂舞の間に入る。
海堂舞は、ミヤビを見つめる。