あいらぶゆー2
再会の夜

~愛斗~

生暖かい空気が肌をかすめる。


桜舞い散るこの季節、


…オレが一番嫌な季節がやって来た。


「花柳(ハナヤギ)さ~ん!待って下さいよぉ」


後ろからバタバタとオレに駆け寄る女。


彼女は近くまで来ると、きゃっと小さい声を出し、ワザとらしくオレの背中に顔を埋めた。


「あ~、慣れないヒール履いたからだぁ。靴擦れできちゃった。花柳さん、おぶって下さい!」


甘ったるいこの喋り方にウンザリする。


…だけどそんな事この女に言っても、通じそうにない。


「おい舞(マイ)、オレ今から行く所あっから。先帰れ」


「え~っ」









< 1 / 582 >

この作品をシェア

pagetop