マイスィートアフタヌーン
実際には不安など感じる余裕もなかったのだが。それは話せば長くなる上に、今のジョンにプラスになる事柄だとは思えないので語らないこととする。


「でも今は友達もいて。いいですよね。僕もそんな風にいけばいいなぁ。かなりですね、不安なんです。僕は話し上手ではないので、初対面の相手だと緊張してしまってますます話せなくなってしまうんですよ。悪循環なんです。印象が悪くなってしまう」


「僕には話せているようだけど。初対面も同然なのに」

目を細めてジョンは笑った。


「彼女たちの友人だからですよ。悪い方のはずはない」

この夜で一番の陽気そうなその笑いは光となって、逆に影の存在を示したように働いた。
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