愛の手

癒えぬ傷跡、触れる手。


朝目覚めると、あたしは一番に仏壇へ手をあわせた。

両親への挨拶を済ませて、そのあと制服に着替える。




いままでかけ持ちしていたバイトは、全て辞めさせられた。

ここにいる以上、借金を返す必要がナイからだ、と総司さんはいった。






少しずつでもイイ。

将来必ずお金をためて、全部借金を返してやる。






こんな家と、はやく縁を切りたいから。

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