同じ空の下で
…え?


「新城先生?」


目の前にいたのはうちのクラスの担任、新城新(シンジョウ アラタ)先生。


上から読んでも、下から読んでも、シンジョウ アラタ。


「津月、泣いてたのか?」

「えっ?!
あ、いえ…。」


ヤバイ。


ビックリし過ぎて、顔を上げちゃった…。


私の今の顔、ぐちゃぐちゃだ。


それを、よりによって担任に見られるなんて……。


………最悪…。


「津月、何かあったのか?」


そう言って、先生は私の背中をさすった。


「いえ…別に。大丈夫です。」


担任に話すなんてムリだし……。


「大丈夫じゃないだろ?そんなに泣いて…。相川と何かあったか?」


相川って言うのは美貴の事。


何で分かるだろ…。


「いえ、違いますっ!!ほんと、大丈夫ですから。」

「俺は頼りにならない?」

先生は、少し寂しそうな、甘えるような目をして、私の顔を覗きこんだ。


うっ…!!


何て、綺麗な顔してんだ…。


鼻筋がスーッと通っていて、顔も小さい。


目は意外とこんなに大きかったんだ…。


良いなぁ。綺麗な二重だ。

肌だって、こんなに白い。

髪は黒色で、少し襟を覆うくらいちょっと長めで。


柔らかそー。


「…。」


「津月?」


「っ?!あ、すっすいません…。」


「もしかして、俺に見とれてた?」


「っ?!違いますっ!!!」


何言ってんのっ?!


教師が言うセリフっ?!


「もう、本当に大丈夫なんで。ありがとうございました。私、帰ります。」


「そうか、そうだな。もう外も暗いし、早く帰った方が良いな。」


そう言われて、窓の外をみたら本当に暗くなって来ていた。



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