秘密の★オトナのお勉強①
「桜は精一杯生きていたから」
「…精一杯?」
「どれだけ綺麗な花を咲かせてすぐに散ってしまうとしても、桜は精一杯生きていたでしょ?」
…この冬馬の言葉が、あたしの胸に大きく突き刺さる。
「例え短い時間でも、桜は精一杯生きて輝いていたんだから。だからあゆも、大事にして」
「…何を?」
「…貞永くんと過ごした毎日を、無駄なモノだと思わないで。貞永くんがいたから、今のあゆがいるんだから」
ニッコリと優しく微笑む冬馬に、あたしは心を打たれた。
…光輝との毎日を、あたしは大事に思えばいいんだね?
あたしはこの恋の記憶を、死ぬまで大事な宝物としよう、そう決意した。
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