揺れる虹
逢えない時間
「テレビ観た?」


『ううん。観てない。』


「観る予定は?」


『うーん……無いかな。』


週刊誌が発売される二日前。

もうマスコミが動いていた。

朝のワイドショーで俺と相手の写真がバンバン流れていた。

もちろん、俺も観てないけれど。

携帯の向こうで眠そうな声を出す美羽に、昨日もした質問。


「今朝、散歩した?」


『したよ。』


「寂しかった?」


『全然………って、昨日も聞いたよね?』


「毎日聞くよ。」


『何で?』


「寂しかったって言ってほしいから。」


正直な気持ち。


『言ったらどうすんの?』


「どうしてほしい?」


『…………寂しくないもん。』


「あ、そ。」


強がりだとわかっていても、寂しい答え。



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