tokimeki*train
オマケ③ 章二side
Y女高の彼女が出来た。こんなオレに似合わないような、純粋で素直な子で。
でも手放す気はない。
普段はK高の頭として気を張っているオレだけど、サチの前では一人の男になれる気がした。
サチの事はオレが守ってやりたい。
「はい。クッキーだよ。後で食べてね」
サチとカレカノになれた次の日、サチは本当にクッキーを焼いて来た。
かわいい紙袋に入っていて、いかにも女の子らしい、サチらしいプレゼントだ。
つい、にやけてしまいそうな顔を引き締めて、なるべくクールに「ありがとう」て貰って。
「何、持ってんだよ」
朝の教室で伏せて眠ろうとしてるオレに絡んでくる悪友のサトシ。
「かわいいって噂の彼女ちゃんからのプレゼントかぁ」
うらやましいねぇ
なんて言いながら、勝手に中を覗く。
「やめろよ!」
取り上げようと手を延ばしたが、既に遅く。
「クマか? 何でクマ?」
知らんぷりを決め込むオレに。
「もしかして、お前がクマか? まさかなぁ」
ニヤニヤ笑いながら、俺を挑発するサトシ。
「お前がな。そんな顔するなんてな。その子はすごいよ」
オレだって、自分が信じられねーよ。
サチに『クマさん』て言われて、照れてるオレなんてさ。