【解離性同一性障害の恋人】
選択
この幸せなめぐり逢わせを存分に楽しもうと思うのに、

第六感とでもいうものだろうか、彼に差す重たい影を捉えてしまう。




優しい笑顔に透けて、もがき苦しむ姿が見える。




好きだからこそ解り過ぎて…。




ぴったり寄り添うのに 薄い膜一枚隔てて混ざり合わない。




私が触れられないその向こう側には一体何があるの?







色々想定した中に、正解は一つもなかった。





人は余りにも未知の事を告げられると、


本当は驚かないものだ。




事の深刻さを、経験を頼りに想像して理解する事が出来ないから。




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