零~ZERO~
風俗
別に男が欲しかったんじゃない。

とにかく独りになりたくなかった。

失恋した者同時だった、男友達とセックスしたり、酒も相変わらず浴びる様に呑み、友達や、その友達の友達と遊ぶ、そんな毎日を繰り返し、口説かれたりもした。

CLUBで男に、ちやほやされながら知らない外国人と踊ったり。
そんな帰り道、具合が悪くなり、その時も身体が痺れて上手く歩けず肩をかりて迷惑をかけた事もある。

その時に、詞音の事を急に想い出して泣いてしまったり…。

通勤時間の中、急ぐ人達に見られつつも、どうでもよくなり、ベンチに横になっていると、又、男達に声をかけられたり。

違う。
欲しいのは、あんたでもあんた達でもない!
心の中で思っていた。


朝方やっと家に着けば、すぐに布団に入った。

虚しさだけ残った。
私には、誰かと大騒ぎは無理なんだ。そう思った。

詞音を恋しくなるのを必死に忘れようとしていた。
すると詞音が憎くなる気持ちになる。
私を、こんなカラダにして…。
アイツは自分が1番可愛くて1番不幸な星のもとに生まれて、可哀相で、自分のせいだと思っていない。
私が勝手にこうなったとしか思っていないハズ。

7年も付き合っていれば、詞音の性格位分かる。
だから、腹がたった。
医療費返せ!とも思った。

未だに思っている。
まわりの人達は時間が解決してくれると言うけど、まだ一方的に切られてから半年。


遊べば遊ぶほど、当然金は無くなる。
当時働いていた頃の、わずかな貯金も底をつき、私は、副業をしようと決めた。
働いていれば独りきりにならないし、余計な事を考えないで済む。金も入る。


自分の身体なんか、どうでもよかった。
どうなってもよかった。
ボロボロに、ぶっ壊れちまえばいいと思っていた。

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